神奈川県で作陶される植田佳奈さん。
彼女の作品といえば、「象嵌」という特殊で緻密な造形が特徴です。
今回2024年は引き続き、貝イメージの形なのですが昨年とは変わってぽってりタイプの裏側が少しお椀型の二枚貝の片面のようなデザインになっています。
陶土でかたどった土の塊に
ひたすら手作業で黙々と模様や線を彫っていく。という斬新な手法で作る植田さんの象嵌。
これ手作業で模様をつけてるの?
うそだぁ〜!と思えるような細かい作業をされていて、
人の所業とは思えない感動のアイテムなんです。
模様は線状に彫ったタイプや
点々が連なったものなど様々。
カラーは今回白地に黒っぽい模様と、ブルーの模様の2色展開。
模様によって価格も異なっています。
工程としては、成形、乾燥、素焼き、色付け、本焼き、仕上げのやすりを施して完成するのだそう。
時間としてはおよそ2-3週間かけての完成となります。
▲ブルー
▲グレー
作業をされている植田佳奈さんのアトリエには、
本物の石ころや葉っぱなどが置いてありました。
限りなく、自然に近いものを作りたいという植田さんは、葉の葉脈やよく見ると無数の線の構成になってる手にひらを見て、線を細かく、彫っていくと段々と有機的なものに近づいてくるのだとおっしゃっていました。
黙々とした作業は嫌いじゃなくて、むしろ好きらしく、どんどん突き詰めて細かくなっているそう。
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貝のようでもあり、
動物の毛並みのようでもあり。
反対側からハリネズミの顔がピョコっと出てくるんじゃないかという錯覚に陥ります。
引きで見ると、線が表面に描かれているだけのようにも見えますが、表面が柔らかな陶土に跡をつけてから焼いているので、
段差というか、押し当てた時のプニっと感が
若干残っていて。そんなところも面白くて、時間をかけて作っているんだなと感慨深くなります。
今回の象嵌は裏側はうっすら凹んでいて無地。
ちょっとしたものも置けるようになっているので、指輪置きやコーン型のインセンスを置いたりなど実用面でも使えるタイプになっています。
オブジェとして飾ったり、ペーパーウェイトみたいにしたりするのもオススメです。
植田さんの作品は、いわゆる造作物とは違って、何よりも自然に近いもの。
本来では作ることができないものを作っているというのが彼女の魅力なんです。
それはとても新鮮で家の中に自然をもたらしてくれる。
気づかないうちに、癒されていく、そんな不思議なアイテムです。